「私の長男が作業所に通所するようになってから、1年余りになります」。
鳥取県の、精神障がいのある人の家族会がつくったリーフレットに、あるお母さんのそんな文章が載っていました。作業所での作業や行事で仲間と交流し、指導員さんの手助けもあって、「日々心身共に成長しているようです」と続きます。
調子を崩してから、この子が自信をなくしているように見える。そんな時期を過ごしている家族には、この「成長」という言葉が、少しまぶしく感じられるかもしれません。
イヤリングが届けたもの
今月、佳子さまが京都を訪れた際に着けていた4,180円のイヤリングが、京都の就労継続支援B型の事業所でつくられたものだったと、週刊女性PRIMEが伝えていました。ガラスの間に金箔を挟んで焼き上げる品で、ガラスを切る作業から窯焼き、金具付けまで、熟練した利用者さんが担っているそうです。着用の翌日にはオンラインショップが完売になり、注文は以前の5倍以上になりました。
この事業所には、精神障がいのある人が通っています。サービス管理責任者の方は、商品づくりや販売を通して「達成感や自信を取り戻したりすること」を目的にしていると話していました。そして、利用者さんたちが「自信を取り戻そうと励んでいる姿も知っていただければ」とも。
話題になったのはイヤリングですが、読んでいて印象に残ったのは、この「取り戻そうと励んでいる」という言葉でした。取り戻すことは、一度で終わるものではないのだと思います。
励ます言葉が届かない日も
厚生労働省のサイトに、統合失調症になった息子さんをもつお母さんの体験談が載っています。働き始めた息子さんが、大きな現場で同年代と自分を比べて「自分の技術は低いかも」と気にし始めたとき、お母さんは「知らないことがあって当たり前。経験を積めば大丈夫」と何度も励ました、と振り返っていました。
自信をなくしている子を前にすると、何か言わなければと思う。でも、言葉をかけても表情が晴れない日もある。そういうとき、どう声をかけたらいいのか分からなくなることはありませんか。
家族同士で話せる場所
一つ知っておくと、少し楽になるかもしれないことがあります。精神疾患のある人の家族が集まる「家族会」は全国各地にあり、全国組織の「みんなねっと(全国精神保健福祉会連合会)」のサイトに、47都道府県の連合会の一覧が載っています。
冒頭のリーフレットのお母さんも、家族の集まりで、作業所に行けない日の困りごとや、楽しみにしていることを話し合っていると書いていました。将来の夢を語り合うこともあるそうです。
子の自信が戻るまでの時間は、家族にとっても長い時間です。その間、同じ立場の人と話せる場所があることは、覚えておいてもいいのかもしれません。
お子さんが「できた」と少し顔を上げた瞬間を、覚えていますか。

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