「謝りなさい」と言いながら、先に頭を下げているのは親のほう

学校から電話がかかってくるたびに、「はい、申し訳ありません」と頭を下げる。相手のおうちにも謝りに行く。カッとなると手が出てしまう息子さんを育てるお母さんは、そんな時期を「謝りに行くのが、日課みたいだった頃」とnoteに書いていました。

子どもにも、言い分がある

息子さんにも言い分はあって、「だって、先にやってきたもん」と言う。それが本当のこともあったと思う、と書かれていました。それでも、手が出たほうが謝る。だからお母さんは、ひたすら謝っていたそうです。

自閉症のある子を育ててきた別のお母さんも、小さいころを振り返って「周りに謝ってばかりで…」と書いていました。すぐ迷子になったり、跳ねながら人にぶつかったりすることが多かったそうです。

子どもに「謝りなさい」と言う。子どもは「なんで僕が悪いの」と黙り込む。その横で、親が先に相手に頭を下げている。謝っているうちに、自分の育て方まで謝っているような気持ちになる日はありませんか。

謝るのは、三つのことを一度にすること

鳥取大学の井上雅彦さんは、発達に遅れや偏りのある小学生の育て方をまとめた本の中で、「ごめんなさい」と謝ることを三つの作業に分けています。自分のあやまちを理解して認めること。相手の気持ちを思いやること。謝る気持ちを言葉や態度で表すこと。

子どもにとっては、この三つを続けてこなすことになります。そもそも自分が悪いと思っていないのかもしれない。自分の気持ちを聞いてもらえないまま謝るのがいやなのかもしれない。どのタイミングで言えばいいのか分からない子や、家族以外の人の前だと緊張して言葉が出ない子もいる、と書かれていました。

だから、これを一つ知っておくと少し楽になるかもしれません。謝れないのは、反省していないからとは限らない。三つのうちどこでつまずいているのかは、子どもによって違うようです。

謝る日々が終わっても

冒頭のお母さんは、今は家で「言葉で言う。その場を離れる。大人に言う」の三つだけを伝えていると書いていました。通級に通うようになって、息子さんは前よりずっと、自分で止まれるようになったそうです。

それでも、ほかの親から「やられたらやり返せって教えてる」と聞くと、胸がざわっとする。謝ってばかりいた頃の自分が「ちょっと顔を出すのだと思います」と書かれていました。

この一文が印象に残りました。子どもが謝れるようになっても、謝り続けてきた親の気持ちは、しばらく親の中に残るのだと思います。

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